ベネズエラ当局が国会副議長を拘束
グアイド国会議長の側近
反米左派マドゥロ大統領と、暫定大統領を名乗る野党指導者グアイド国会議長の「2人の大統領」による正統性をめぐる対立が続いている南米ベネズエラで8日、グアイド氏の側近として知られるエドガル・サンブラノ国会副議長が、「クーデター未遂」に関与した疑いで情報機関に身柄を拘束された。マドゥロ派が大半を占める制憲議会は7日、サンブラノ氏を含む野党議員7人の不逮捕特権を剥奪していた。
グアイド氏は、ツイッターにサンブラノ氏が秘密情報機関SEBINに連行されたと、連行現場の写真と共に掲載、「副議長が拉致されたが、我々を崩壊させようとする試みは成功しない」「国民の代表は(正統な国会議員である)我々だ」とマドゥロ政権を批判した。
ベネズエラでは、4月30日にグアイド氏と一部軍人が首都カラカスの軍基地に入り蜂起したが、軍幹部らが同調せず失敗に終わっていた。サンブラノ氏を含む野党議員7人はグアイド氏の蜂起に加わっていた。
一方、制憲議会のカベリョ議長は、国営テレビを通じて、「クーデター未遂に加担した共謀者の1人が逮捕された」と発表した。グアイド氏に関しては、米政府が「同氏の身柄が拘束された場合にはあらゆる選択肢を準備している」とマドゥロ政権を牽制(けんせい)している。
(サンパウロ 綾村悟)