米大統領選 バイデン氏「中産階級を取り戻す」


「ラストベルト」で初演説

 2020年米大統領選への立候補を表明した民主党のバイデン前副大統領(76)は29日、出馬表明後初の演説を東部ペンシルベニア州ピッツバーグで行った。同氏は「米国を支える偉大な中産階級を取り戻す」と訴え、労働者層を中心とした聴衆に支持を呼び掛けた。

バイデン前米副大統領

バイデン前米副大統領(UPI)

 同州は、16年大統領選でトランプ氏が白人労働者層からの支持を集め僅差で制した「ラストベルト」(さび付いた工業地帯)の激戦州の一つ。次期大統領選でも勝敗を左右する州の一つとみられており、バイデン氏は「もし私がトランプ氏に勝利するとしたら、それはここ東部ペンシルベニアで起きるだろう」と力を込め、聴衆にトランプ氏への対抗姿勢をアピールした。

 バイデン氏は、トランプ政権による大型減税は富裕層や企業のためのものだとし、「それによって(労働者層に)何か恩恵があったのか」と批判。景気は好調ながらも、「中間層は傷つけられている」として、格差の是正を訴えた。

 米メディアによると、バイデン氏は主要な労働組合の一つである国際消防士組合からの支持も得た。同組合は、前回大統領選では、民主党候補だったクリントン氏やトランプ氏への支持を表明しなかった。

 一方、トランプ氏は29日、ツイッターで「偽ニュースのメディアは眠たいジョー(バイデン氏)を応援するが、私が大統領を務めているのは、バイデン氏やオバマ前大統領が仕事をしなかったからだ」と攻撃。労働組合の幹部についても「組合員から馬鹿げたほど高い会費を徴収している」とやり玉に挙げ、一般のメンバーたちは自身を支持していると主張した。

(ワシントン 山崎洋介)