オバマ前米大統領、「怒りを利用」とトランプ氏批判
中間選挙に向けて始動
オバマ前米大統領は7日、中西部イリノイ州の大学で演説し、「政治家が長年煽(あお)ってきた怒りを利用している」とトランプ大統領を名指しで批判。11月の中間選挙で民主党候補者への投票を呼び掛けた。
オバマ氏は、中間選挙に向け、この日を皮切りに各地で民主党候補の応援に入る予定。前大統領が現職の大統領を批判するのは異例のことだが、この日は、トランプ氏や共和党への対決姿勢を明確に示した。
オバマ氏は演説で、地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」からの離脱表明、司法省への批判などを挙げてトランプ氏を非難。昨年、バージニア州で起きた衝突でトランプ氏が白人至上主義者の非を明確にしなかったことについては、「われわれは差別やナチス信奉者には断固として立ち向かわなければならない」と訴えた。
共和党については、昨年成立させた税制改革法が債務を拡大させるなどと指摘し、「(共和党は)保守主義でもなく、正常でもない。過激主義だ」と主張した。
その上で、「民主主義に対する最大の脅威は、無関心だ」として投票を呼び掛けた。
一方、トランプ氏はノースダコタ州での集会で、オバマ氏の演説について、「見ていたが寝てしまった。オバマ氏の演説は寝るのにちょうどよい」と皮肉った。
オバマ氏は、8月1日に中間選挙に向け、民主党候補81人を支援すると表明している。今月8日にカルフォルニア州、翌週には、オハイオ州で演説する予定。
(ワシントン山崎洋介)