「生命の権利を守る」 米大統領がメッセージ
ワシントンで中絶反対デモ
米国の首都ワシントンで19日、人工妊娠中絶に反対するデモ行進「マーチ・フォー・ライフ」が開催され、トランプ大統領がホワイトハウスから生中継でデモを支持するメッセージを寄せた。トランプ氏はこの中で、「私の政権では常に、独立宣言の最初の権利である生命の権利を守る」と強調した。デモは、連邦最高裁が1973年に女性の妊娠中絶権を認めた「ロー対ウェイド判決」を下した翌年から毎年開催されており、今年が45回目。
トランプ氏は「米国は中国や北朝鮮などとともに妊娠後期の中絶を認めている7カ国のうちの一つだ」と批判。下院は妊娠20週後の中絶を禁止する法案を可決しており、「上院もこの重要な法案を可決することを求める」と主張した。
女性の中絶権擁護に積極的だったオバマ政権からトランプ政権に代わったことで中絶反対派は勢いづいている。会場でスピーチした共和党のポール・ライアン下院議長は「プロライフ(中絶反対派)の大統領がホワイトハウスに戻ったことを神に感謝しよう」と述べ、前政権下では不可能だった後期中絶を禁止する法律などの成立に強い期待感を示した。
デモには若者の姿が多く見られ、「我々はプロライフ世代だ」などと訴えながら、ワシントン記念塔付近から最高裁まで練り歩いた。
マリスト大学が最近実施した世論調査によると、中絶を制限することに賛成する人は76%に上った。
(ワシントン早川俊行)