北の脅威に「軍事対応」も 、米国防長官が強く警告


 トランプ米大統領は3日、北朝鮮による6回目の核実験を受け、安全保障チームによる緊急会合を開いて対応を協議した。会合後、マティス国防長官は記者団を前に声明を読み上げ、「米国はいかなる攻撃からも自国、同盟国の韓国、日本を守る能力を有することは明らかで、われわれの関与は鉄壁だ」と強調。また、「米国、グアムを含む米領や同盟国に対するいかなる脅威も大規模な軍事的対応に直面する。効果的かつ圧倒的な対抗措置を取る」と述べ、北朝鮮に対して強く警告した。

マティス氏(左)とダンフォード氏

3日、米ホワイトハウスで記者会見するマティス国防長官(左)とダンフォード統合参謀本部議長(UPI)

 米軍制服組トップのダンフォード統合参謀本部議長と会見したマティス氏は、金正恩朝鮮労働党委員長に対して、韓半島非核化に向けたこれまでの国連決議などに「心を払うべきだ」と訴えた。また、「北朝鮮を消滅させようと考えているわけではない」としながらも、「その(消滅させる)ための選択肢は多くある」と述べ、軍事力行使も排除しない姿勢を示した。

 さらにマティス氏は、トランプ氏から考えられる軍事的な選択肢について説明を求められて、それらの説明をしたと語った。米メディアによると、会合にはペンス副大統領やケリー大統領首席補佐官らが出席した。

 一方、トランプ氏は3日、大型ハリケーン「ハービー」の犠牲者を追悼するためホワイトハウス近くの教会を訪問した後、記者団から北朝鮮を攻撃する可能性があるか問われ、「そのうち分かる」と語り、実力行使の可能性を否定しなかった。

 またトランプ氏は、ツイッターに「北朝鮮とビジネスを行うすべての国との貿易停止も考慮している」と書き込み、経済制裁を強化する考えを示した。韓国に対しては「北朝鮮への融和姿勢が機能しないことをようやく認識するようになってきた」と投稿し、圧力を強めるよう求めた。

 経済制裁についてはムニューシン財務長官も3日、FOXニュースに「(北朝鮮との)貿易やビジネスを望む者は誰であれ、米国と貿易やビジネスをさせない」制裁案を、トランプ大統領の強い考えを受けて検討していると語った。独自の経済制裁を強化するとみられる。

(ワシントン岩城喜之)