内戦終結で協力
シリア攻撃後初 米露首脳が電話協議
トランプ米大統領とプーチン・ロシア大統領は2日、電話会談し、シリア内戦終結に向けて努力していく必要があるとの認識で一致した。核・ミサイル開発を続ける北朝鮮問題については解決のために協力していくことで合意した。
ロシアが後ろ盾になっているシリア・アサド政権を米軍が4月6日に攻撃して以降、両首脳が電話協議するのは初めて。米政府は会談について「とてもよいものだった」と総括した。
ホワイトハウスは電話会談後に「シリアの苦難は長く続いており、すべての関係当事者が暴力を終わらせるためにできる限りのことをすべきだとの見解で合意した」との声明を発表。またシリア国内に「安全地帯」を設けることも議論したと明かした。
北朝鮮の核・ミサイル問題については、「非常に危険な情勢を解決する最善の方法」を話し合ったと発表した。米メディアによると、米国が北朝鮮への圧力を強化していることに対して、プーチン氏は緊張の緩和と自制を求めた。
また両首脳はイスラム過激派によるテロを根絶するため、中東における協力体制についても意見交換した。
両首脳による直接会談はトランプ政権が発足してから行われていないが、7月7、8両日に独ハンブルクで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議の際に会談を行う方向で調整することでも一致した。
トランプ氏は就任前からロシアとの関係改善を訴えていたが、米軍のシリア攻撃をめぐって両国は対立。トランプ氏が「史上最低かもしれない」と述べるほど関係は悪化している。
(ワシントン岩城喜之)