税制改革、米軍再建を宣言


 トランプ米大統領は28日夜、連邦議会の上下両院合同会議で初めての議会演説を行った。税制改革を進めると同時に、米軍を再建させると宣言し、「同盟国は、米国が再び(世界を)主導する用意があることに気付くだろう」と訴えた。

トランプ

米上下両院合同会議で演説するトランプ大統領=28日、ワシントン(AFP=時事)

 トランプ氏は「米国は自国の市民を第一にしなければならない。そうした時にのみ、真に米国を再び偉大にできる」とし、「米国第一主義」を改めて主張。就任後の成果として、環太平洋連携協定(TPP)からの離脱などをアピールした。

 一方、経済政策では「歴史的な税制改革を進める」とし、中間層の税負担軽減や法人税の引き下げを表明。また1兆㌦(約113兆円)に上るインフラ投資を承認するよう議会に求めた。

 外交・安全保障政策では、米軍再建のために、国防費の強制削減措置の撤廃を言明。米国の安全を維持するために「史上最大規模の一つとなる国防予算の増加を求める」と強調した。北大西洋条約機構(NATO)や同盟国、友好国などに対しては、「戦略・軍事作戦で直接的かつ意味のある役割と、公平なコスト負担を期待する」と訴えた。

 テロとの戦いでは、同盟国のほかにイスラム世界の友人とも協力し、過激派組織「イスラム国」(IS)を地球上から消滅させると宣言。「米国内にテロの足場を築かせることは許さない」とし、国防総省にIS掃討計画を策定するよう指示したこともアピールした。また「新たな友好国を見つけ、利害が一致する分野で協力関係を構築する」と語った。

 さらに「労働者の保護は、移民制度改革を進めることも意味する」とし、イスラム圏7カ国からの一時的な入国禁止措置に関して「新たな措置を近く講じる」と強調。公約として掲げていた米メキシコ国境への壁建設もすぐ開始すると述べた。

(ワシントン岩城喜之)