「友好の絆、強める一助に」 天皇陛下、晩餐会であいさつ
【ハノイ時事】ベトナムを公式訪問中の天皇、皇后両陛下は1日夜、首都ハノイの国家主席府で、チャン・ダイ・クアン国家主席夫妻主催の晩さん会に出席された。天皇陛下は「皇后と共に貴国を初めて訪問することを誠に喜ばしく思っております」とあいさつされた。
陛下は同国の伝統舞楽「ニャーニャック」が日本の雅楽と同じ起源を持つことや、20世紀初頭の「東遊(ドンズー)運動」でベトナムの若者が日本に留学していたことなどを紹介。「この度の私どもの訪問が、両国国民の相互理解と友好の絆(きずな)を更に強める一助となることを心から願っています」と述べ、クアン国家主席と笑顔で乾杯された。
クアン国家主席は、友人と助け合うことの大切さを詠んだ明治天皇の和歌を引用し、「現在のベトナムにとって日本は真の親友」と表現。「両陛下のご訪問が、両国の友好協力関係に新たな春を与えるものと確信します」と述べた。
宮内庁によると、国家主席府で午前に行われた会見の際、天皇陛下はクアン主席に「両国の交流の長い歴史を振り返りながら、お互いより良い国を造るために努力していくことが重要だと思います」と伝えられたという。