接種拒否する懐疑論 SNSなどで拡散


ルーマニア政府の新型コロナウイルス対策やワクチン接種に抗議する人々=昨年10月2日、ブカレスト(AFP時事)

 新型コロナウイルスワクチンに対して懐疑的な見方をする人々は接種を拒否するが、その根拠となる専門家の医師らによるワクチンの危険性についての情報が、インターネット交流サイト(SNS)上には拡散している。

 米国医師外科医協会の元会長であり、米海軍で9年間軍医を務め、生物兵器の研究者としても多くの実績を残しているリー・メリット博士は、米メディアのインタビュー動画で、「新型コロナワクチンは危険な生物兵器である」と述べている。動物実験では、遺伝子を用いたメッセンジャーRNAワクチン(mRNA)を接種すると、後で感染するウイルスに対して、抗体依存性感染増強(ADE)が引き起こされ障害が発生し、実験動物はすべて死亡したという内容だ。

 アイルランド国立大学ダブリン校(UCD)の分子生物学・免疫学専門のドロレス・カヒル教授は、過去20年間の動物実験の結果から、mRNA接種後に著しい数の副反応が起きることを指摘している。その一つに重いアレルギー反応(アナフィラキシー)がある。スズメバチに刺されたら2回目が危ないように、人工合成されたmRNAを体内に入れるため、アレルギーがあれば複数回の接種は危険であるという。また、mRNAを接種すると寿命が短くなり、70歳以上は2~3年、30代なら5~10年以内に亡くなる可能性があり、さらに、最大の問題は不妊だと唱えている。

 米ファイザー社の元副社長で研究者のマイケル・イードン博士は、ADE、不妊、アナフィラキシー反応などを懸念し、ワクチン接種に反対する発言をしている。

 一方、わが国の厚生労働省は、ヒトでの臨床試験を実施するには、動物実験での安全性の確認が必須条件であり、SNS上の情報にあるワクチン接種された実験動物が全て死亡したなどの根拠となる事実は確認されていないとしている。

(森田貴弘)