ホンジュラス大統領選 17年ぶり左派政権
親中派野党候補が勝利宣言
中米ホンジュラスで28日、エルナンデス大統領の任期満了に伴う大統領選挙が実施された。就任式は来年1月で任期は4年。
開票51%の時点で、「親中派」として知られる野党連合の左派シオマラ・カストロ氏(62)が、得票率53・61%で他の14候補をリードしており、与党・国民党の右派ナスリ・アスフラ氏(63)が、33・85%で追う展開となっている。
カストロ氏は、ツイッターで事実上の勝利宣言を行った。当選すれば、ホンジュラス初の女性大統領となるほか、17年ぶりに左派政権が誕生することになる。
カストロ氏は、左派政党リブレ党首のセラヤ元大統領の夫人。セラヤ氏は、2009年の大統領在職中に軍部クーデターで身柄を拘束され、一時的に国外追放となった。
現職のエルナンデス大統領は、麻薬組織とのつながりが指摘されて米司法当局による捜査対象となっており、汚職など与党の長期政権に反発する票が野党連合に流れた。
一方、親中派として知られるカストロ氏は、当選後に中国との国交を樹立する意向を明らかにしているが、10月に左派連合を組んだ後には発言をトーンダウンさせている。
ホンジュラスは、台湾が外交関係を結んでいる数少ない国の一つ。新政権が中国との国交樹立に動くことがあれば、パラグアイなど台湾との国交がある他の中南米・カリブ諸国に与える影響も少なくない。
また、中南米では、昨年11月のボリビア、今年7月のペルーでの大統領選挙で反米左派と共産系の候補が相次いで当選している。12月のチリ大統領選決選投票でも左派系候補の優勢が伝えられており、「左傾化」の波が続いている。
(サンパウロ 綾村悟)