カッコいい車に危機感ー韓国から


地球だより

カッコいい車

 車社会の韓国で、特に男性にとってどのような車に乗っているかはステータスシンボルの一つ。昔からベンツやBMW、ランドローバーなどの欧州車が「高級」とされてきた。ただ、知人のキャリアウーマンたちが白塗りベンツなどを愛用しているのを見ると、女性も社会進出が進み、車を選ぶ目まで肥えてきたようだ。時折、高速道路で先行の車をビュンビュン追い抜いていく高級車に乗る女性ドライバーに出くわす。腕もなかなかのものだ。

 ところがここ数年、明らかにカッコいい車のランク付けに“地殻変動”が起きている。韓国車が見違えるように洗練されたのだ。

 聞けば、国内メーカー各社が欧州などからデザイナーを呼び寄せ、国内はもとよりグローバル市場でも勝負できるデザインの開発に力を入れてきたそうだ。その結果、一昔前には見られないほどカッコいい車を街中で見掛けるようになった。ベンツやBMWが走っていても全然目立たないほどだ。

 日本はうかうかしていられない。「車はドイツか日本か」と言われるほど日本車のクオリティーの高さには定評があったが、そう遠くない将来、韓国車に追い付き、追い越される可能性が芽生えたからだ。

 もちろん韓国車の多くは核心部品で日本製を使用しているといわれ、まだ日韓の技術格差もある。だが、韓国のこの勢いは侮れない。日頃、韓国人の手さばきの速さ、フットワークの良さを見るにつけ、そんな思いが募っている。(U)