米軍 台湾に軍事訓練 中国の脅威に対応


米海兵隊(2020年1月1日イラク:UPI)

米海兵隊(2020年1月1日イラク:UPI)

 米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は7日、米軍の特殊作戦部隊と海兵隊が秘密裏に台湾で軍事訓練を施していると報じた。中国による台湾侵攻への懸念に対応するためで、米軍は少なくとも1年間、台湾で活動しているという。

 同紙は米当局者の話として、米軍の特殊作戦および支援部隊の二十数人が台湾陸軍の小規模部隊に訓練を実施。米海兵隊は台湾海軍と共同で小型ボートを使った訓練に取り組んでいるとした。

 米軍の派遣は常駐ではなく、ローテーション形式で行われているという。

 同紙は米軍の台湾派遣について「中国の侵攻に備え、台湾に防衛能力強化に対する自信を深めさせるという、小規模だが象徴的な取り組みだ」と指摘した。

 米国防総省の報道官は7日の声明で、「具体的な作戦や関与、訓練についてはコメントしないが、われわれの台湾に対する支援と防衛関係は、中国がもたらす脅威に対応するためのものだ」と強調した。

 台湾情勢をめぐっては、台湾の防空識別圏(ADIZ)に進入する中国軍機が今月に入って急増。1~4日までの4日間だけで延べ149機に上った。台湾の邱国正国防部長は6日、中国が「台湾を全面侵攻できる軍事能力を2025年に完備する」との強い危機感を示した。

 一方、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)と中国外交担当トップの楊潔篪共産党政治局員は6日、スイス・チューリヒで会談し、年内にオンライン形式で米中首脳会談を行うことで原則合意した。

(ワシントン・山崎洋介)