ワクチン未接種のブラジル大統領、NY路上でピザパーティー
国連総会に出席するために米ニューヨーク市入りしている南米ブラジルのボルソナロ大統領一行を写した写真が話題となっている。
写真は、ボルソナロ大統領とケイロガ保健相など閣僚らの一行が19日夜、ニューヨークの路上でピザパーティーを楽しんでいる様子を写したもので、ラモス大統領府・事務総局長官のツイッターに掲載された。ラモス氏は写真に「ニューヨークの豪華な夕食」との題を付けていた。
ニューヨーク市では、13日からレストラン内での飲食に新型コロナワクチンの「接種証明」が必要となっており、大統領一行はピザをテイクアウトしていた。
ボルソナロ氏がワクチン未接種のままで国連総会に出席することは、ニューヨークでも話題になっており、同市のデブラシオ市長は「ボルソナロ大統領がワクチンを接種したくないのであれば、来なければよかった」と名指しで批判している。
今回、国連総会に出席する主な首脳の中で、ワクチンを接種していないのはボルソナロ氏だけだ。ボルソナロ氏自身は、昨年7月に新型コロナに感染し、現在も抗体を持っている。
ボルソナロ氏は、特に中国製ワクチンのブラジル導入などに反対してきた経緯があり、「私の抗体レベルは、中国製ワクチンよりも高いのに、なぜワクチン接種が必要なのだ」「全員がワクチンを打ったら、その後で接種すべきか考えてみよう」などと発言してきた。
同氏は、ニューヨークでの滞在先ホテルの出入りの際にも、マスクを着けずに行動している姿などがブラジルのテレビで紹介されており、一部のメディアからは「国の代表としてあるまじき行為だ」との声も上がっている。
一方、写真を公開したラモス長官のツイッターには、大統領支持者を中心に1万3千近くの「いいね」が付いた。ニューヨークでも変わらぬ「ボルソナロ流」を貫く大統領の行動には、ブラジル国内でも賛否の声が分かれている。
(サンパウロ・綾村悟)