ブラジルで狂牛病2頭、中国への輸出を停止
ブラジルの保健当局は5日、ブラジル国内で狂牛病(BSE)に感染した牛2頭が発見されたため、最大輸出国でもある中国への輸出を一時的に全面停止したと明らかにした。中国以外の欧州や中東諸国等への輸出状況は不明。
輸出停止は、中国との取り決めによるもの。今後は中国側の判断を待って輸出の再開時期などを決めることになるという。
当局によると、狂牛病に感染した牛は、ミナスジェライス州とマトグロソ州で発見された。1990年代に世界的に問題となった、狂牛病に汚染された牛の肥料などを食べたことによるものではなく、流通している牛肉の安全性に問題はないとしている。
中国は、香港を合わせて世界最大の牛肉輸入国として知られる。その多くをブラジルからの輸入に頼っており、世界2位の牛肉生産国でもあるブラジルの輸出量の半分以上(57%、2019年)を中国向けが占めるほど。
(サンパウロ・綾村悟)