ケイコ氏不正献金疑惑、予備審理始まる ペルー


 

 南米ペルーの裁判所は31日、汚職と資金洗浄などの容疑で、フジモリ元大統領の長女で保守政党「フエルサ・ポプラル」(FP)の党首ケイコ・フジモリ氏(46)に対する予備審理を開始した。

 ケイコ氏は、過去の大統領選挙でブラジルの建設大手から不正選挙資金を受け取ったとして、検察から禁錮30年10月を求刑されている。検察は、今年4月から6月にかけて行われた大統領選挙においても、ケイコ氏が不正献金を受けとったと主張している。

 司法当局は、18年10月から国外逃亡などを防ぐためとして断続的にケイコ氏の身柄を拘束し、最後の拘束は20年5月に終了していた。

 保守系政治家として知られるケイコ氏は、6月に実施された大統領選挙の決選投票で共産系の急進左派ペドロ・カスティジョ氏との接戦の末に敗れていた。

 フジモリ派の「フエルサ・ポプラル」は、今回の総選挙で議席を伸ばし、24議席を獲得して野党第1党の勢力を保っている。少数与党として厳しい国会運営を強いられているカスティジョ政権としては、根強い支持基盤と影響力を持つフジモリ派の勢いを止めておきたいのが現状だ。

(サンパウロ・綾村悟)