「ワクチンパスポート」導入へ、ブラジル・サンパウロで


米ファイザー製のワクチン、米で使用を正式承認

 

 ブラジル最大都市サンパウロのヌメス市長は23日、「ワクチンパスポート」制度の導入を発表した。30日から実施され、サッカー観戦など多くの人々が集まるイベントで提示が義務付けられる。

 ワクチンパスポートは、新型コロナウイルス用のワクチンを接種済みであることを証明するもの。取得には、少なくとも1回のワクチン接種が必要。

 同様の証明書類の導入は、欧州諸国でも話題となっており、フランスではワクチンパスポートの提示義務化に反対するデモも起こっている。

 ブラジルでも、ワクチンパスポートの提示義務化に関しては、市民の権利を奪うものだとの反対意見も多い。

 ワクチンに関しては、感染拡大や重症化を防ぐ多大な効果が確認されている一方、健康上の理由でワクチンを接種できない人に加え、副反応や開発・治験期間の短さに対する懸念から接種をためらっている人々も少なくない。

 ヌメス市長は当初、飲食店等への入店に際してもワクチンパスポートが必要になると説明したが、市当局はその後、ヌメス市長の発言を修正し、レストラン入店時での提示導入は検討中だとした。

(サンパウロ・綾村悟)