米大統領 期限通りアフガン撤退


延長ならテロのリスク

 バイデン米大統領は24日、ホワイトハウスで演説し、今月31日までとしていたアフガニスタンからの米軍撤退期限について、延長しない方針を明らかにした。

4日、ホワイトハウスで演説するバイデン米大統領(EPA時事)

4日、ホワイトハウスで演説するバイデン米大統領(EPA時事)

 バイデン氏は、アフガンからの米国人や通訳などの協力者の退避が「現時点で8月31日までに終わるペースだ」と強調。また米軍や民間人がテロの標的になるリスクが高まるとして、「早く完了するほどいい」と主張した。米軍の撤収期限をめぐっては、イスラム主義組織タリバンが、延長すれば「結果を伴う」と警告していた。

 ただ、予定通り完了するかどうかは「タリバンの協力次第だ」と指摘し、タリバンが退避希望者に対し空港へのアクセスを妨害しないことなどを条件として挙げた。また、撤収が予定通り完了しなかった場合に備え、国防総省と国務省に、緊急時対応計画の作成を指示したとも語った。

 一方で、与野党の米議員からは、期限の延長を求める声が上がっている。

 民主党のトム・マリノフスキー下院議員は議会専門紙「ザ・ヒル」に「8月31日までに(撤退を)行うことができないという圧倒的な超党派のコンセンサスがある」と指摘。同氏は、議員らへのブリーフィングでブリンケン国務長官やオースティン国防長官、ミリー統合参謀本部議長ら当局者は、8月31日の期限は非現実的だと述べたとも語った。

 共和党のマコネル上院院内総務は、「われわれが人員を連れ出すためにどれくらいの期間、滞在するかについて、タリバンが決めるべきではない」として、バイデン氏は「8月31日の締め切りを忘れるべきだ」と訴えた。

(ワシントン・山崎洋介)