経済活動制限を解除 サンパウロ州


1年半ぶり ブラジル

 

 昨年4月以来、常に新型コロナウイルス流行の中心地となってきたブラジルだが、新型コロナワクチンの接種進捗(しんちょく)に伴い、新規感染者と死者が激減している。サンパウロ州の保健当局は22日、州内645カ都市全てで、重症者用ベッドの満床状態が解消されたと発表した。昨年4月のパンデミック「第1波」以来、初めてのことだという。
 サンパウロ州では、17日から経済活動制限の制限措置も解除されており、社会・経済活動に弾みがついている。サンパウロ州で、商業活動の制限などが盛り込まれた制限措置が導入されたのは、2020年3月、制限解除は実に1年半ぶりのことになる。

 同州では、16日までに州内のワクチン接種を希望する全ての成人(ブラジルの成人は18歳以上)に、少なくとも1回のワクチン接種を完了させた。同州保健局によると、18歳以上人口の91・2%、州内全人口の69・7%がワクチン接種を受けていることになる。

 ブラジル最大のグロボテレビは22日、深夜にもかかわらず利用客でにぎわうサンパウロ市内の飲食店の様子などを放映した。リオデジャネイロでは、ビーチに観光客があふれており、ブラジル国内各地で、コロナ前とほぼ変わらない街のにぎわいが戻り始めているという。

(サンパウロ・綾村悟)