パラリンピックはバチカンで始まった
1908年の障害者競技紹介 地元紙
東京パラリンピック大会が24日、開幕する。バチカンニュースは22日、「パラリンピックはバチカンで始められた」と報じ、バチカン日刊紙「オッセルバトーレ・ロマーノ」は、当時のパラリンピックの模様を紹介した記事を掲載した。
バチカンニュースによると、「1908年9月、足を切断されたアスリートがスプリントに参加し、走り高跳びには、9人の視覚障害者が参加。優勝者は『オッセルバトーレ・ロマーノ』の記者からインタビューを受けた」という。
パラリンピックの公式の歴史によれば、1948年7月28日、ロンドン・オリンピック開会式と同日に、英国のストーク・マンデビル病院で行われた競技大会が初めてだ。大会は戦争で負傷した兵士のリハビリテーションが目的だった。
オッセルバトーレ・ロマーノは「パラリンピックは今日、障害者に対する全く異なった認識を広げる上で大きく貢献している」と指摘、パラリンピックの目的について「単に大会を祝うことではなく、深刻な障害を抱えるアスリートが命懸けで取り組めば何が達成できるかを示すことだ。これはスポーツの世界だけではなく、全ての人生にも当てはまる」と強調している。
教皇フランシスコは1月2日のイタリアのスポーツ新聞「ガゼッタデロスポーツ」のインタビューで、「参加したアスリートたちは生き生きとしたドラマを持っていて、それを表現していることに感動した」と語っている。限界は障害のある人にあるのではなく、それを見る人の精神にあるというわけだ。
(ウィーン・小川敏)