米政権は中国に強い圧力を、ペンス氏演説 コロナ流出「証拠が強く示唆」
ペンス前米副大統領は14日、米保守系シンクタンク、ヘリテージ財団で講演し、中国が冷戦時代の旧ソ連よりも「米国により大きな挑戦をもたらしている」と警告。新型コロナウイルスの起源をめぐっては中国の研究所から流出した疑いが強いと主張するなどして、バイデン政権に中国により強い姿勢で対峙(たいじ)するよう求めた。
ペンス氏は「弱さは悪を引き起こすが、私の印象では中国は新政権から弱さを感じ取っている」と指摘。その理由として、トランプ前大統領が「中国の操り人形」などと批判し脱退を決めた世界保健機関(WHO)に「一切譲歩を求めずに再加入」したことなどを挙げた。
中国製品に対する関税などでバイデン政権がトランプ政権時代の政策を一部維持していると認めつつも、こうした政策は「第一歩にすぎない」として、圧力をさらに強化することを求めた。
ペンス氏は新型コロナの起源について「証拠は中国の研究所から流出したことを強く示唆している」と主張し、バイデン政権に対し、中国に「正直に語る」よう迫るべきだと強調。中国共産党は党の目的のために科学を利用していると指摘し、中国の研究所に対する政府や民間の資金提供をやめるべきだとした。
ペンス氏はまた、インド太平洋地域における中国の進出に対抗するため海軍力を大幅に強化することや米大学のキャンパスで孔子学院を禁止することを要求。また、中国がウイグル人への迫害をやめない限り、2022年の冬季五輪の開催地を北京から移すことを求めるべきだとした。
ペンス氏は、トランプ政権時代、中国がもたらす脅威をあからさまに批判した演説を2度にわたって行い話題を呼んだ。ペンス氏は24年大統領選出馬に意欲を持つとされ、今回の演説は、それに向けた布石の一つともみられる。
(ワシントン・山崎洋介)