キューバで反政府デモ、電力・食料の不足訴え
共産党一党独裁が続いているカリブ海諸国のキューバで11日、首都ハバナなど複数の都市で反政府デモが発生した。
現地からの報道によると、首都ハバナのデモでは、電力や食料、医薬品などの不足を訴える市民数千人が参加し、治安当局による拘束者も出た。官製デモ以外が禁止されているキューバで、これだけの規模の反政府デモが発生するのは極めてまれ。
ミゲル・ディアスカネル大統領は同日、デモの背景に米国の影響があると非難、これ以上の反政府活動には断固とした姿勢で挑むことを明らかにした。
一方、新型コロナの感染拡大が深刻になっているキューバでは、新型コロナの感染対策に対する市民の不満も高まっているという。
人口1133万人(2019年)のキューバでは、これまで1日当たり1000人程度に抑えられていた新規感染者が6月中旬に入ってから一気に増え、11日には過去最高の6923人の感染者と47人の死者を出した。米国からの経済制裁を受けているキューバは、コロナ禍による観光業への直撃も加わって財政危機に直面しており、ワクチン不足も深刻だ。
(サンパウロ・綾村悟)