ペルー大統領選 ケイコ氏が支持率で猛追
急進左派候補に懸念強まる
ペルーの世論調査会社「DATUM」は14日、6月6日に行われる大統領選挙決選投票の最新調査結果を公表し、フジモリ元大統領の長女で中道右派のケイコ・フジモリ候補(45)が、教師組合出身の急進左派ペドロ・カスティジョ候補(51)に支持率で肉薄していることが分かった。
世論調査の支持率はカスティジョ氏の42%に対し、ケイコ氏は40%。誤差は2・8%で、ほぼ横並びの状況だ。先月19日の調査では、カスティジョ氏がケイコ氏を11ポイントリードしていた。
カスティジョ氏は、4月11日に実施された大統領選挙の第1回投票で首位に立ち、国内外を驚かせた。同氏は泡沫候補とみられていたが、貧困層救済を訴えて地方票を取り込んだ。同氏は、ペルー経済の要である資源の半国有化など社会主義的な政策を掲げている。
カスティジョ氏の政治姿勢に危機感を抱いたのが、保守派と経済関係者だ。第1回投票を受けて、ペルーの株価と債権、通貨は暴落。銅山などに資本を出している外国企業の間に動揺が広がった。
ケイコ氏の猛追は、保守派が同氏支持を固めたことに加え、中間層やこれまで支持を明確にしてこなかった有権者が、カスティジョ氏の過激な政治姿勢に危機感を抱いたものとみられている。
今後は、支持候補を決めていない有権者の取り込みがカギとなる。終盤に向けて、経験と組織力に優れたケイコ陣営有利と見る向きも出ているが、カスティジョ氏は、ほぼ全ての世論調査で40%以上の支持率を得ており、貧困層や地方を中心として根強い支持層を握っているのが強みだ。
(サンパウロ・綾村悟)