中国 米科学者数百人を「買収」、知的財産の窃取が狙い


米NIH調査

 米政府から研究費の支援を受けている科学者500人以上が、中国など外国政府から不正に資金提供を受けている可能性があるとして調査対象となり、その9割以上が実際に中国から支援を受けていたことが分かった。米国立衛生研究所(NIH)が明らかにした。

 NIH当局者らが22日に上院公聴会で語ったもので、米国の研究者を買収し、生物医学の発展に貢献が期待される知的財産を盗み出すために中国が大規模な取り組みを進めていることが分かっており、調査を進めているという。

 NIHのマイケル・ラウアー副所長(外部委託研究担当)によると、中国などとの関係が疑われる科学者について、90以上の大学や研究所に問い合わせをしており、政府全体で新たな事例が次々に明らかになっている。

 中国は、トウモロコシ栽培からがんまであらゆる研究を標的としている。ラウラー氏によると、調査を受けた科学者のうち90%以上が中国から支援を受けていた。

 司法省によると、南イリノイ大学カーボンデール校の数学教授、肖明慶氏は2018年から中国からの資金提供を受け、調査対象になっている。

 また、オハイオ州立大学のリウマチ学専門家の鄭頌国・元教授は、中国の人材誘致計画に関与していることを隠して、NIHから410万㌦の補助金申請を行ったとして昨年、起訴された。

(ワシントン・タイムズ特約)