米軍 北極圏でプレゼンス強化


中露に対抗 基地設置へ

 米国防総省は16日、ロシアから「北極圏の支配」を取り戻すための新たな戦略を発表、この地域での陸軍の長期的な任務の遂行を可能にするため、北極圏に新たな基地を設置する。

 この計画は2019年に発表された国防総省の包括的北極圏戦略のガイドラインとして作成されたもので、北極進出を強化するロシア、中国に対抗する必要性を訴えている。両国とも北極圏を、国家安全保障と経済をめぐる長期的な利益には欠かせないと考えている。

 ガイドラインは「ほとんどの北極圏諸国は米国の同盟国だが、米国の競合国、ロシアと中国は、米国の国益に反する地政学的目標を持って北極戦略を立てている」と指摘、「ロシアは地域内の主権を主張し、支配を強化しようとしている。中国は、北極圏の資源と航路を支配し、軍事的、経済的、科学的台頭を促進しようとしている」と両国が北極支配に戦略的に取り組んでいることを明確にしている。

 米陸軍は新ガイドラインのもとで、北極での優位性を取り戻すため、「北極圏の環境に対応でき、極寒の雪の中、山岳地帯でさまざまな活動ができる部隊の創設」を目指す。

 具体的には、「さまざまな任務をこなすことができる師団本部」を設置し、特殊な訓練を受けた戦闘旅団を配備するとしている。「北極圏全域に戦力を投入」することを目指し、地域内から発生するいかなる脅威にも対応できるようにするという。

(ワシントン・タイムズ特約)