バイデン大統領就任へ


コロナ、人種問題めぐり「米国の団結」訴え

 バイデン次期米大統領の就任式が20日、首都ワシントンで行われる。同氏は同日正午(日本時間21日未明)に連邦議会議事堂前で就任の宣誓を行い、第46代大統領に就任する。米国で新型コロナウイルスの感染拡大や政治的分断が広がる中、同氏は就任演説で国民に「団結」を呼び掛ける。副大統領には女性では初めて黒人のカマラ・ハリス氏が就任する。

19日、米首都ワシントン近郊のアンドルーズ空軍基地に到着したバイデン次期大統領(左)とジル夫人(AFP時事)

19日、米首都ワシントン近郊のアンドルーズ空軍基地に到着したバイデン次期大統領(左)とジル夫人(AFP時事)

▼ワシントン厳戒

 米メディアによると就任演説のテーマは「米国の団結」で、40万人以上の米国人が犠牲となった新型コロナ危機への対応や人種問題、政治的分断に言及。「前例のない危機の時に、国がまとまる必要性について訴える」という。

 バイデン氏は昨年11月の演説でも「厳しい言葉を捨て、心を落ち着け、もう一度お互いに耳を傾ける」と述べ、国民の融和を訴えていた。ただ、CNNによる最新の世論調査では、共和党支持者のうち「正当にバイデン氏が勝利した」と考える人はわずか19%にとどまった。こうした中、国をまとめていくのは容易でない状況だ。

 バイデン氏は19日、地元デラウェアを出発してワシントン入りした。新型コロナによる犠牲者の追悼行事に参加した後、ホワイトハウスの迎賓館に宿泊した。

 バイデン氏は20日午前、民主、共和両党の議会幹部と教会を訪れ、礼拝に参加。就任演説後は、アーリントン国立墓地を訪れて無名戦士の墓に花輪を捧(ささ)げ、その後ホワイトハウスに向かう。

 バイデン氏は上院議員を36年務めた後、オバマ政権で副大統領を8年間務めた。78歳で大統領に就任することになり、トランプ氏の就任時の70歳を上回り、歴代最高齢となる。

 トランプ氏は就任式に参加せず、ペンス副大統領が出席する。トランプ氏の支持者らによる連邦議会襲撃事件の後、ワシントン中心部は厳戒態勢が敷かれており、フェンスなどで至る所が封鎖され、約2万5千人の州兵が不測の事態に備えている。