ウイグル族迫害は「集団虐殺」 米国務長官認定


ブリンケン氏も同意

 ポンぺオ米国務長官は19日、中国政府による新疆ウイグル自治区のウイグル族ら少数派の迫害について「ジェノサイド(集団虐殺)」かつ人道に対する罪だと認定したと発表した。トランプ政権最終日にジェノサイド認定を発表したのは、バイデン次期政権の発足後も中国に対する強い対応を促す狙いもあるとみられる。

ポンぺオ氏

ポンぺオ氏

 ポンぺオ氏は声明で、少なくとも2017年3月以降、中国当局は、ウイグル族のイスラム教徒ら少数民族に対する人道的罪を犯したと指摘。これには、100万人以上の民間人の投獄や女性に対する強制的な不妊手術、強制労働や拷問、宗教の自由に対する厳しい制限が含まれるとした。

 その上で「ジェノサイドが進行中であり、中国一党独裁政権による体系的なウイグル族破壊の試みを、われわれは目撃している」と強調。中国は世界のリーダーとして振る舞う一方、「少数民族、宗教を強制的に同化し、最終的には消滅させようとしている」と厳しく非難した。

 バイデン次期大統領が国務長官に指名したブリンケン氏も19日、ジェノサイド認定に同意する考えを示した。

 バイデン氏は、中国の人権問題に厳しく対応する姿勢を示しており、昨年8月にはウイグル自治区における弾圧を「ジェノサイド」だと批判する声明を発表していた。20日の就任後、次期政権がこうした人権問題にどう対応するか注目される。

(ワシントン 山崎洋介)