選挙人選出に上院議員初の異議


不正の調査要求 共和党ホーリー氏

 共和党のホーリー上院議員は30日、2021年1月6日の上下両院合同会議で、バイデン前副大統領を勝者とした大統領選の選挙人投票結果の承認に反対する意向を表明した。

 上院議員としては初めて。複数の共和党下院議員がすでに、投票結果を認めない意向を表明しており、上下両院議員がそろったことで、選挙人選出をめぐって議会で審議が行われる可能性が出てきた。

 ホーリー氏は「一部の州、特にペンシルベニアで州選挙法が守られなかったという事実が取り上げられない限り、選挙人投票の結果を認めない」と表明、「選挙不正の主張を調査し、選挙の正当性を確保するための対策を講じる」ことを議会に求めた。

 共和党のブルックス下院議員らが、バイデン氏が勝利した激戦6州での選挙人選出に異議を唱えているものの、議会での審議には上院議員の賛同も必要。2017年1月の選挙人承認の表決では、トランプ氏の勝利に複数の民主党下院議員が反対したものの、賛同する上院議員がいなかったため、審議されることはなかった。

 選挙人の確認は、11月3日の大統領選から21年1月20日までの一連の手続きの最後となる。トランプ陣営は選挙に不正があったとして、投票結果を認めておらず、ホーリー氏が名乗りを上げたことで強力な援軍を得た格好。

 トランプ氏は21日、ブルックス氏ら共和党議員とホワイトハウスで今後の戦略をめぐって協議しており、グリーン次期下院議員がワシントン・タイムズに語ったところによると、会合に参席していたペンス副大統領も計画に「乗り気」だったという。

 州の選挙人選出に連邦議員が異議を唱えた場合、上下両院は審議し、選挙人を承認するかどうかをめぐって両院それぞれで表決を実施しなければならない。両院で拒否されれば、その州の選挙人は不承認となる。

 ホーリー氏の反対表明で、選挙人確認での上院議長としてのペンス副大統領の権限にも新たな注目が集まっている。トランプ氏支持者らは、ペンス氏に、バイデン氏が勝利した激戦州で共和、民主どちらの選挙人を集計するかについて権限を行使するよう求めている。

 ゴーマート下院議員らは28日、ペンス氏にどの州の選挙人を集計すべきかを決定する「独占的権限と裁量権」があることを確認する訴えを連邦裁に起こしたが、憲法学者らからは、選挙法と憲法修正第12条の下での副大統領の権限を誤って解釈していると非難の声が上がっている。

(ワシントン・タイムズ特約)