ベネズエラで国会議員選 主要野党不参加、大統領「独裁化」進む
南米ベネズエラで6日、国会議員(一院制、277議席)選挙が実施された。選挙には、反米左派マドゥロ大統領率いる与党・統一社会党(PSUV)の他、一部野党が参加したが、野党連合の民主統一会議(MUD)は「公正な選挙が望めない」としてボイコットした。
全国選挙評議会(選挙管理委員会に相当)は同日夜、開票80%の時点で、与党が67・7%を獲得したと発表。野党側の得票率は18%にとどまっている。
ベネズエラでは、選管当局や最高裁をマドゥロ派の人物が掌握しており、これで司法・立法、行政の3権と軍部など全ての国家権力がマドゥロ大統領に集中することになる。マドゥロ政権による、さらなる独裁化が懸念される。
政権側にとって唯一の問題は投票率だ。現地からの報道では、投票率は3割にも満たなかったと伝えられており、マドゥロ大統領と与党が国民から支持を得たと主張するには厳しい数字となっている。
一方、野党指導者のグアイド国会議長は、国民に選挙ボイコットを呼び掛けており、投票率が上がらなければ、マドゥロ派が多数派を握る国会の正統性もなくなるものと期待する。また、野党側は、今月7日から12日までの間に独自で「国民投票」を行う予定。
国民投票では、今回の選挙の無効制と選挙のやり直しを求めるとしているが、実効性は不明だ。
(サンパウロ 綾村悟)