アリゾナ、ジョージア、2州トランプ氏逆転も


違法な外国人票 バイデン氏へ

 米大統領選でバイデン前副大統領に米国内の多数の外国人が投票していた可能性があることが新たな調査結果から明らかになった。選挙結果の見直しを求めて法廷闘争を進めるトランプ陣営にとって、投票での不正を主張する新たな根拠となりそうだ。

保守系団体が指摘

 保守系の非営利団体「ジャスト・ファクト」は、アリゾナ、ジョージア、ミシガン、ネバダ、ノースカロライナ、ペンシルベニア、ウィスコンシンの七つの激戦州の選挙結果を調査。米国勢調査に基づく外国人の数2170万人と、各激戦州の人口、投票結果を比較した上で、過去の外国人の投票結果に当てはめた。

ペンシルベニア州ピッツバーグの倉庫に設置された開票所(11月6日、UPI)

ペンシルベニア州ピッツバーグの倉庫に設置された開票所(11月6日、UPI)

 ジャスト・ファクトは、外国人の数多くの「追加」票がバイデン氏に入ったとしており、アリゾナ州、ジョージア州の選挙結果を覆すには十分と結論付けている。両州が覆ればトランプ氏の獲得選挙人数は259人となり、接戦となっているペンシルベニア州またはミシガン州を獲得すれば、当選に必要な270人を超える。

 08年~13年の調査では、多数の外国人が登録し、投票しているが、これは連邦法に反し、その大部分は民主党に投票している。

 ジャスト・ファクトのジェームズ・アグレスティ所長はワシントン・タイムズに、「これはある種の不正だ。数が非常に大きく、大規模な不正の証拠はないという主張を覆すものだ」と述べた。

 トランプ陣営は主に、署名の偽造などによる郵便投票不正、開票機の不正操作の2点をめぐって法廷争いを展開している。現状では、外国人の投票に関してトランプ陣営からの正式な見解は出ていない。

 外国人の投票をめぐってアグレスティ氏は、民主党は、無料の医療保険や市民権の提供を約束するなど事実上、滞在許可を持たない不法移民による違法な投票を推奨してきたと指摘。「外国人が違法に投票を行う機会は十分にあり、外国人の約16%は、08年、12年の大統領選で投票していた」と主張した。

 外国人の投票問題をめぐる見方は、保守、リベラルで真っ二つに割れ、リベラル派は、外国人の投票はごく少数であり、統計的に小さ過ぎ標本とはならないと主張している。

 ところが、08年~13年の調査では、相当数の外国人の投票が確認されている。例えば12年のハーバード大・ユーガブの調査では自身を外国人とした回答者の14%が、有権者登録をし、9%は「間違いなく」投票したと答えている。そのうち80%は、オバマ前大統領に投票していたという。

 アグレスティ氏によると、ジャスト・ファクトは保守/リバタリアン(自由至上主義者)系研究機関であり、メディアの偽情報やリベラルな主張の検証を行っている。

(ワシントン・タイムズ特約)