就任5日で辞任表明 ペルー大統領
反政府デモが激化
南米ペルーのメリノ大統領(59)が15日、辞任を表明した。汚職疑惑で国会に罷免されたビスカラ前大統領(57)に代わり10日に就任したばかりだった。メリノ大統領に任命された閣僚らも15日付で辞任した。
ペルーでは、ビスカラ前大統領の罷免に反対する反政府デモが激化し、治安当局との衝突で2人が死亡、100人以上が負傷する事態となっていた。ビスカラ氏は、政治改革に対する姿勢で国民から高い支持を得ており、同氏の罷免決議は「国会によるクーデターだ」と非難する声が支持者から上がっていた。
メリノ氏に対しては、強引なデモ鎮圧で国内の混乱を招く原因をつくったとして、国会が辞任を求めていた。国会でメリノ氏の後任者を決める作業が続いているが、難航しているという。
2016年の前回選挙以来、ペルーで大統領が辞任もしくは罷免されるのは、メリノ氏で3人目。新型コロナウイルスの感染拡大でペルー経済は深刻な打撃を受けており、メリノ氏の後任は、国民からの支持回復と新型コロナ・経済対策など厳しい政権運営に直面することになる。
(サンパウロ 綾村悟)