司法長官 不正捜査認める 米大統領選


トランプ陣営 ペンシルベニア州を提訴
結果差し止め求め

 米国のバー司法長官は9日、全米の連邦検察に対し大統領選の不正行為について捜査するよう促した。同氏は書簡で「真実なら各州の選挙結果に影響を与え得る不正の明確な申し立てがある場合」に調査が可能だと指摘した。

9日、米上院で共和党のマコネル院内総務との会談を終えたバー司法長官(UPI)

9日、米上院で共和党のマコネル院内総務との会談を終えたバー司法長官(UPI)

 また、共和党のマコネル上院院内総務は同日、連邦議会で「大統領が不正投票の可能性を調査したり、法的措置を取ることは100%権利の範囲内だ」と述べ、大統領選投開票をめぐるトランプ大統領の法廷闘争を支持する考えを表明した。すでに同党のマッカーシー下院院内総務もトランプ氏の立場への支持を示しており、上下院の共和党トップがトランプ氏の不正追及の取り組みを後押しする形になった。

 一方、トランプ陣営は同日、ペンシルベニア州による選挙結果の認定の差し止めを求め、連邦地裁に提訴。トランプ氏は同日ツイッターで、「ペンシルベニアでは、開票作業の多くを見ることができなかった。この国では考えられないことで、違法だ」と訴えた。

 また、ホワイトハウスで同日会見したマクナニー大統領報道官は、同州で陣営の選挙監視員が開票作業に立ち会うのを拒否されたとして、「ペンシルベニアの民主党は何を隠しているのか」と非難した。陣営の法務顧問マット・モーガン氏は、提訴の理由について、特に民主党が支配する同州の郡で立ち合いが拒否されたことなどを挙げた。

 これに対して同州シャピロ司法長官(民主党)は、開票作業について「超党派の選挙当局によって監督され、合法で、公正で、安全だった」と述べ、反発した。

 さらに、共和党全国委員会のマクダニエル委員長は、ミシガン州における不正に関して131の宣誓供述書が準備できたと明らかにした。

 例えば、同州デトロイトの元選挙スタッフは、有権者を指導し、民主党候補のバイデン前副大統領に投票させている場面を「毎日のように直接的に目撃した」という。また、その同じスタッフは、過去2週間で、有権者に写真付き身分証明書の提示を要求しないように指示されたという。

(ワシントン 山崎洋介)