不正横行 証言相次ぐ 米大統領選
期日過ぎた郵便も集計
虚偽の人名用いて投票
トランプ米大統領の選対陣営は、3日に実施された大統領選における多数の不正の証言を集めている。これらは、不正行為を目撃したという投票所スタッフや郵便局の従業員、選挙監視人らによる宣誓供述書から成るが、その幾つかは、不正の横行を疑わせる驚くべき内容を示している。
トランプ陣営 宣誓供述書示す
中西部ミシガン州デトロイト選挙局のジェシー・ジェイコブス氏は宣誓供述書で、同市当局が投票日を過ぎて到着した郵便投票も集計するように命じたと述べた。自身だけで期日を過ぎた何万もの郵便投票を扱ったとした。
ジェイコブス氏はまた、同市の選挙スタッフたちが集計所で名簿に載っていない人物の名前を偽って用い、投票用紙に記入していたと証言した。
東部ペンシルベニア州フィラデルフィア郊外のチェスター郡の選挙監視人の証言によると、集計責任者の一人がトランプ氏を含め複数の候補にマークされた投票用紙を、トランプ氏以外の候補に投票されたものとして処理した。
西部ネバダ州選挙局のスタッフは、「バイデン・ハリス」と表示されたバンがラスベガスの集計所に到着し、他のスタッフが駐車場で投票用紙に記入する様子を目撃したと主張した。
トランプ陣営は10日、ミシガン州で投票が合法的に行われたと確認するまで、結果の確定の差し止めるよう求める訴訟を起こすと発表した。
米紙ワシントン・タイムズによると、その提出書類には、同州デトロイトがあるウェイン郡で不正が行われた疑いを示す100以上の宣誓供述書が含まれている。その中には、同一人物が複数回投票したというものや同じ投票用紙が集計機で複数回処理されたとの内容があるという。
トランプ氏の個人弁護士であるジュリアーニ元ニューヨーク市長は同紙に「(証拠集めが)終了するまでには、民主党による行動パターンを示すことができるだろう」と語った。
同氏は、アリゾナ州フェニックス、ミシガン州デトロイト、ペンシルベニア州フィラデルフィア、ピッツバーグなど民主党が運営する都市で共和党の選挙監視人による立ち合いが妨げられている間に不正が起きたと主張している。
こうした不正追及の取り組みが選挙結果にどの程度影響を与えるかは不透明だ。だが、選挙の公正性を守るためにも徹底した実態の解明が求められる。
(ワシントン 山崎洋介)