バイデン氏「勝利」目前に 米大統領選
トランプ氏 徹底抗戦へ
米大統領選は5日、残る五つの激戦州で開票作業が続いた。民主党候補のバイデン前副大統領(77)は、南部ジョージア州で共和党のトランプ大統領(74)を逆転したほか、東部ペンシルベニア州で大きく差を縮め、当選に必要な選挙人の過半数(270人)獲得が目前に迫っている。
一方、トランプ氏は5日、記者会見で民主党が「選挙を盗もうとしている」と主張し、徹底抗戦をする考えを示した。
バイデン氏がこれまでに獲得した選挙人は253人で、トランプ氏は214人を確保。バイデン氏は過半数の270人まで残り17人に迫っている。一部メディアは西部アリゾナ州でバイデン氏が勝利を確実にしたとして、同氏が獲得した選挙人を264人としている。
米メディアによると、6日午前6時の時点でジョージア州(選挙人16人)は、開票率99%でバイデン氏が約900票リード。ペンシルベニア州では、トランプ氏のリードを得票率差で0・3ポイントの約1万8000票まで縮めた。両州とも民主党が多い郵便票や大都市周辺の開票が進んだため、バイデン氏の票が一気に伸びた。
バイデン氏は地元デラウェア州で「民主主義には時に忍耐が必要だ。すべての票が集計された時、われわれが勝者であることは間違いない」と述べ、勝利に自信を示した。
一方、トランプ氏は選挙で不正があった可能性を指摘し、「今後、多くの訴訟を起こすことになる。たくさんの証拠があるからだ。連邦最高裁判所まで争うことになるかもしれない」と述べ、法廷闘争を続ける考えを示した。
これに先立ちトランプ陣営は、ネバダ州においてすでに亡くなった人の名義で投票されたり、新型コロナウイルスの感染拡大により移住した人が不正に投票したとして、提訴すると発表した。ただ、これまでのところその証拠は明らかにされていない。
こうした法廷闘争をめぐり、共和党議員らはトランプ氏と共闘する構えを示している。下院共和党のマッカーシー院内総務は同日夜、FOXニュースの番組で「下院共和党はしり込みしない。われわれは戦うつもりだ」と述べ、選挙の公正さを保つためトランプ陣営と歩調を合わせる考えを示した。
(ワシント ン山崎洋介)