激戦州めぐり大接戦
トランプ氏「率直に言って勝った」
バイデン氏「まだ終わりではない」
米大統領選は3日に投開票が行われ、共和党のトランプ大統領(74)と民主党のバイデン前副大統領(77)が激しい接戦を繰り広げている。トランプ氏は前回の大統領選同様、世論調査で不利とされていた事前予測を覆す底力を発揮、再選に欠くことができない大票田の南部フロリダ州も制した。郵便投票の急増の影響で一部州で開票が遅れており、勝者判明まで時間がかかる可能性がある。
鍵握る「ラストベルト」3州
トランプ氏は、勝敗を左右する激戦州のうちフロリダをはじめ南部テキサス、中西部オハイオなどで猛烈に反撃し、獲得を確実にした。一方、バイデン氏は東部ニューハンプシャー州や中西部ミネソタ州などを押さえた。
各州選挙人のうち過半数の270人以上を得た候補が勝者となるが、米メディアによると4日午前7時(日本時間同午後9時)の時点で、バイデン氏は227人、トランプ氏は213人を獲得した。
4年前にトランプ氏が僅差で制した東部ペンシルベニアや中西部ミシガン、同ウィスコンシンのラストベルト(さび付いた工業地帯)3州で開票作業が遅れており、今回も勝敗を決定付ける可能性があるとして注目が高まっている。
このうちペンシルベニアやウィスコンシンでは同日早朝までトランプ氏がリードしているが、今後バイデン氏が優勢な郵便投票の集計が進むことで差が縮まることが予想される。
トランプ大統領は4日未明、ホワイトハウスで支持者を前に演説し、「われわれは勝つ準備が整っている。率直に言って勝った」と述べた上で、投票日を過ぎて到着された郵便投票の票について、「最高裁に行き、投票を止めさせたい」と述べ、法廷闘争の可能性も示唆した。
これに先立ちバイデン氏は地元デラウェア州で支持者の前に姿を現し「われわれは勝利に向かっていると確信している」と強調。その上で「すべての票が集計されるまで終わりではない」として、結果が判明するまで忍耐するよう求めた。
米フロリダ大学の「米選挙プロジェクト」の集計によると、期日前投票は1億人を超え、前回選挙の投票総数の73%に達した。同プロジェクトは全体の投票率は65%を超え、約100年ぶりの水準になると予想しており、今回の選挙に対する有権者の関心の高さを示している。
(ワシントン 山崎洋介)