トランプ氏 活動再開へ
巻き返しへ強気の姿勢
トランプ米大統領は10日、新型コロナウイルス感染後初めて公式行事に参加し、11月の大統領選に向け活動を再開する。ホワイトハウスが9日、発表した。週明けには退院後初の支持者集会を開く予定で、選挙戦終盤を迎え、巻き返しへ強気の姿勢だ。
10日の演説はホワイトハウスに支持者ら数百人を招待し、トランプ氏がバルコニーから「法と秩序」について演説を行う。また、週明けの12日には激戦州の南部フロリダ州で支持者集会を開く。
トランプ氏の主治医は同氏が10日から「公的行事に安全に復帰できる」との見通しを示していた。ただ、トランプ氏が陰性になったかどうかは明らかにされていない。
一方、トランプ氏が連邦最高裁判事候補を発表した9月26日のホワイトハウスのイベントについて、国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は9日、感染が爆発的に広がる「スーパースプレッダーイベント」だったという認識を示した。
米メディアによると、10日に行われるトランプ氏の演説の参加者にはマスク持参が求められ、検温なども行われる。しかし、9月26日のイベントよりも多くの参加者が予想され、感染が広がる可能性も懸念されている。
世論調査で民主党候補のバイデン前副大統領に対して劣勢が伝えられる中、トランプ氏は活動再開を急ぎ、挽回を図りたい考えだ。
15日に予定されていた2回目のテレビ討論会は、主催団体が決めたオンライン開催をトランプ氏が拒否したことを受けて中止となり、22日が最後の討論会になることが決まった。トランプ氏はFOXニュースのインタビューで、「私は困らない。誰がコンピューター上で討論をしたいと思うか」と強気の姿勢を示した。
トランプ、バイデン両氏はそれぞれ、参加者からの質問に答えるタウンホール形式の集会を15日に開催する見通しとなっている。