米国防長官 中国の軍拡に包囲網構築


近海での挑発行為を警戒

 エスパー米国防長官は26日、訪問先のハワイで演説し、中国が進める軍拡について、「南シナ海と東シナ海など中国政府が核心的利益と見なした地域での人民解放軍の挑発的な行動につながるのは間違いない」と警戒感を表明。インド太平洋地域について「中国との大国間の競争の震源地である」と強調し、同盟国などと連携を強化し包囲網を築いて対抗する考えを示した。

エスパー米国防長官=3月4日、ワシントン(AFP時事)

エスパー米国防長官=3月4日、ワシントン(AFP時事)

 エスパー氏は「中国共産党はその政治目標を推進するため、人民解放軍を今世紀半ばまでに世界クラスの軍隊にするべく近代化を積極的に進めている」と指摘。その上で「われわれはこの地域について一寸の土地も譲るつもりはない」と訴え、力による現状変更を容認しない考えを明確にした。

 また「同盟・友好国との強固なネットワークは、自国の利益のために他国を犠牲にしてルールに基づいた秩序を破壊する中国に対する永続的な優位性を維持させるだろう」と強調。一方で「できれば、中国と協力を続け、国際的なルールに基づく秩序に彼らを立ち戻らせることを望んでいる」とも述べた。

(ワシントン 山崎洋介)