米共和党大会 「史上最も重要な選挙」正式指名のトランプ氏
11月の米大統領選に向けた米共和党の全国大会が24日、ノースカロライナ州シャーロットで初日を迎え、トランプ大統領(74)とペンス副大統領(61)を同党の候補者として正式に指名した。トランプ氏は「わが国の歴史で最も重要な選挙だ」と述べ、再選に向け決意を示した。
ほぼすべてがオンラインだった民主党大会と違い、人数を絞りながらも約300人の各州・地域の代議員が距離を保ちながら参加。感染対策をしながら、社会活動を進める姿勢を示した。
指名が決まった直後、予想に反しトランプ氏が会場に登場。候補者は短い時間だけ姿を現すのが慣例だが、トランプ氏はこの日、1時間近くもの演説をした。
聴衆から「あと4年!」コールで迎えられる中、トランプ氏は、「最初の3年半の間、わが国の歴史におけるどの大統領よりも多くのことを成し遂げた」と強調。メキシコ国境の壁建設、過激派組織「イスラム国」の壊滅、最高裁判事への保守系判事の指名、黒人コミュニティーに利益をもたらす「オポチュニティーゾーン」(低所得地域への税優遇策)などを実績としてアピールした。
中国については、トランプ政権が課した関税により「中国は67年の歴史で最悪の年となっていた」と主張。民主党候補のバイデン前副大統領(77)は中国に弱腰だとし、「もしこの男が選出されたら、中国はわれわれの国を乗っ取るだろう」と批判した。
大会では同日夜、首都ワシントンで関係者の演説が行われ、ヘイリー前国連大使は、民主党が人種差別問題をめぐりトランプ氏に対する批判を強める中、「民主党内で米国が人種差別主義の国だとの考えが流行しているが、それは嘘(うそ)だ」と強調。インド系移民の娘として、サウスカロライナ州で最初の非白人の知事を務めた自身の経験を語った。
また、民主党が先週の全国党大会でトランプ氏の新型コロナウイルス対応を厳しく批判したことに対抗し、トランプ氏を評価する医療関係者も登壇。ウェストバージニア州の看護師エイミー・フォード氏は、遠隔医療サービスに資金が提供されたことなどを挙げ、「医療の専門家として、トランプ氏の迅速な行動とリーダーシップが新型コロナによる何千もの命を救ったと断言できる」と証言した。
また、新型コロナに感染後に回復したルイジアナ州の医師G・E・ガリ氏は、新型コロナウイルスの治療法として血漿(けっしょう)療法を緊急認可したトランプ政権の決定について 「トランプ大統領は人命を救うために山を動かした。彼は信用に値する」と訴えた。
トランプ氏は27日にホワイトハウスで指名受諾演説を行う予定。
(ワシントン 山崎洋介)