民主党大会 バイデン氏を正式指名


20日に受諾演説

 米民主党は18日(日本時間19日)、全国党大会でバイデン前副大統領(77)を正式に大統領候補に指名した。バイデン氏は、今回の大統領選に勝利すれば、史上最高齢の78歳で就任することになる。これを受け、バイデン氏は大会最終日の20日、指名受諾演説を行い、再選を目指すトランプ大統領(74)との対決に向け選挙戦を本格化させる。

18日、米民主党全国大会で大統領候補に指名され笑顔を見せるバイデン前副大統領(民主党のインターネット中継動画より・AFP時事)

18日、米民主党全国大会で大統領候補に指名され笑顔を見せるバイデン前副大統領(民主党のインターネット中継動画より・AFP時事)

 民主党は、2日目となる全国大会を初日に続けてオンライン形式で開き、全米50州や自治領の代議員が、順番に予備選の結果を報告。従来は党大会会場に一堂に集って行われるが、今回は地元の農場、ビーチ、駅などを背景に代議員がバイデン氏への支持を語る映像が次々と流された。

 その後、バイデン氏本人がジル夫人と共に中継に登場し、指名が決まったことについて「本当にありがとう。皆さんに心から感謝する」と語った。

 バイデン氏は1972年に29歳の若さで上院議員に初当選した後、6期36年在任し、オバマ前政権で8年間副大統領を務めた。88年と2008年の大統領選でも党候補指名を争い、3度目の挑戦で初めて指名を獲得した。

 この日は「リーダーシップは大事」をテーマに掲げられ、クリントン、カーター両元大統領や共和党のパウエル元国務長官がトランプ氏の資質を問題視し、バイデン氏への支持を呼び掛けた。

 クリントン氏は、トランプ氏の新型コロナウイルス対応を批判し、「このような時に、大統領執務室は中央司令部となるべきだ。しかし、今では嵐の中心だ。そこには混沌(こんとん)しかない」と指摘した。

 パウエル氏は「トランプ氏は、その権力を用いてわれわれの国が分断し続けるようにあらゆることをしている」と非難。バイデン氏が「米国を団結させ、われわれの強さと精神を取り戻す」大統領になると強調した

 19日にはハリス上院議員が副大統領候補に正式に指名され、受諾演説を行う予定となっている。

(ワシントン 山崎洋介)