米大統領 香港問題で対応予告


「金融の中心地困難に」

 トランプ米大統領は26日、ホワイトハウスで記者団に、中国政府が香港の統制強化を定めた「国家安全法」への対応について、「週末までに何かを知らせる。非常に強力なものだ」と表明した。

トランプ米大統領

26日、ホワイトハウスで開かれた催しで演説するトランプ米大統領(EPA時事)

 トランプ氏は、対応策について、詳細への言及は避けた。ブルームバーグ通信は関係筋の話として、トランプ政権が香港弾圧に絡み、中国当局者や金融機関などに取引制限や資産凍結などの制裁を検討していると報じた。オブライエン大統領補佐官(国家安全保障担当)は24日、国家安全法が導入されれば、制裁を科すと示唆している。

 また、マケナニー大統領報道官は26日の記者会見で、国家安全法の導入に関し、「トランプ氏は、不快に思っている。中国が(香港を)乗っ取ることになれば、香港が金融の中心地にとどまるのは難しいと考えている」と述べた。

 クドロー国家経済会議(NEC)委員長も26日、FOXビジネスに出演し、国家安全法について「大きな過ちを犯している」と中国を批判した。香港の「高度な自治」を認めた「一国二制度」ではなく、「一国一制度の企てだ」と指摘。香港の経済にも悪影響を与えるとし、米国企業に対し「彼らがサプライチェーン(供給網)を(中国から)米国に戻した場合、われわれは移転の費用などを支払うためにできる限りのことをする」と述べた。

(ワシントン 山崎洋介)