米空軍 グアムに爆撃機再配備
東アジア前方展開を再開
米空軍は4日、グアムのアンダーセン基地に超音速戦略爆撃機B1を配備したことを明らかにした。米空軍は先月、グアムの戦略爆撃機B52を米本土に撤収させ、「同盟国に好ましくないメッセージを送る」(米軍事専門家)と懸念されていたが、わずか2週間で、戦略爆撃機の東アジアへの前方展開を再開した。
米空軍によると、4機のB1と200人の兵員が1日、米テキサス州の空軍基地からグアムに到着した。配備は「太平洋空軍の同盟・パートナー国との訓練と、インド太平洋地域のルールに基づく国際秩序を強化するための戦略的抑止力」を支援することが目的。配備の期間は明らかにされていない。
第7爆撃航空団のスマンギル指揮官は声明で「グアムに戻り、米国と同盟国を守るための即応爆撃機戦力に加われることを誇りに思う」と述べている。
米軍は、敵国に動きを予測されないよう戦力を柔軟に投入する「動的戦力運用」構想を取り入れており、今回の配備はその一環とみられている。2004年から戦略爆撃機を交代でグアムに配備する「継続的爆撃機プレゼンス」計画を実施してきたが、4月16日に駐留していたB52を本土に引き揚げ、この計画を終了させていた。
米軍は、B52のグアム撤収後の4月22日に日本の上空で、B1と航空自衛隊の戦闘機F2との合同訓練を実施。31日には米本土から2機のB1が東アジアに飛来、南シナ海上空を飛行しており、米UPI通信は、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の健康問題が報じられて以降「この地域で哨戒飛行、偵察飛行が活発に行われた」と報じている。
(ワシントン 山崎洋介)