4州でバイデン氏勝利
ミシガン制しサンダース氏と差拡大
民主党指名獲得へ前進
米大統領選の民主党の候補者指名争いは10日、予備選が6州で実施された。中道派のバイデン副大統領(77)が中西部ミシガン州など4州を制し、指名獲得に大きく前進した。一方、サンダース上院議員(78)は厳しい戦いを強いられている。
バイデン氏は、黒人層や女性層、郊外の白人有権者らの支持を受け大票田のミシガン(代議員数125人)のほか、中西部ミズーリ(同68)、南部ミシシッピ(同36)、西部アイダホ(同20)の各州で勝利を確実にした。サンダース氏有利とみられた西部ワシントン州(同89人)は接戦となっている。
指名獲得に必要な代議員数は1991人だが、米メディアによると11日深夜の時点で、バイデン氏が787人、サンダース氏が647人をそれぞれ獲得し、その差が広がっている。
バイデン氏は10日夜、ペンシルベニア州フィラデルフィアで支持者を前に演説し、「われわれはホワイトハウスの品格、尊厳、名誉を回復することに一歩近づいている」と勝利を宣言。サンダース氏やその支持者に向けては「トランプ氏を倒すという共通の目標を共有している」と述べ、指名獲得後を見据えて党内融和を呼び掛けた。
焦点となったミシガン州は、開票率99%の時点でバイデン氏が53%で、サンダースの37%を大幅に上回った。サンダース氏は同州を中心に選挙戦を展開し、先週のスーパーチューズデーで勝利したバイデン氏の勢いを止めることを図ったが、敗北に終わったことは打撃となった。
ミシガン州は白人労働者層が住むラストベルト(さび付いた工業地帯)の一角で、サンダース氏は2016年の予備選で「本命」とされたクリントン氏に予想外の勝利を収め勢いに乗った。今回、サンダース氏はバイデン氏がかつて北米自由貿易協定(NAFTA)に賛成票を投じたことなどを批判したが、支持基盤の若者層の投票率が伸びず、支持の広がりも欠いた。
(ワシントン 山崎洋介)