スーパーチューズデー、投票始まる


民主指名争い、対立構図に変化

 米大統領選の民主党候補指名争いの最大のヤマ場となる「スーパーチューズデー」が3日、始まった。これまで急進左派のサンダース上院議員(78)が優勢とみられてきたが、直前に撤退を表明した2候補が相次いで中道派のバイデン前副大統領(77)への支持を表明。バイデン氏が中道派を結集し、サンダース氏に対抗する新たな構図が生じた。

バイデン前副大統領(左)とサンダース上院議員

米大統領選の民主党候補指名を争う中道派のバイデン前副大統領(左)と急進左派のサンダース上院議員(AFP時事)

 ブティジェッジ前サウスベンド市長が1日に撤退を表明したのに続き、クロブシャー上院議員も2日、撤退を表明。中道派の2人は、テキサス州で開かれたバイデン氏の集会に参加し、同氏への支持を表明した。

 昨年11月に撤退した同州選出のベト・オルーク前下院議員も参加し、バイデン氏への支持を表明。スーパーチューズデー直前で、サンダース氏を阻止するため、中道派をバイデン氏に一本化する動きが加速した。

 バイデン氏は「ほとんどの米国人は革命の約束を望んでいない」と述べ、急進的なサンダース氏が指名候補になれば、大統領選や上下院選に勝利することは難しいと訴えた。

 一方、サンダース氏は2日、中道派を結集する動きについて「バーニー・サンダースを止めようとする大規模な取り組みが行われている。それは誰にとっても秘密ではない」と述べ、対抗心を示した。

 直近の世論調査で、サンダース氏は大票田のテキサス州で他候補を引き離すなど、多くの州で優位な戦いを進めてきた。サンダース氏が圧勝すれば指名獲得の流れが一気に強まるとみられることから、バイデン氏がどこまで巻き返し、接戦に持ち込めるかが焦点となる。

 また、スーパーチューズデーから本格参戦する大富豪で中道派のブルームバーグ前ニューヨーク市長がどこまで支持を広げるかにも注目が集まっている。米メディアによると、同氏はテレビ、ラジオ広告に1億7000万㌦以上と他候補の10倍以上投じてきたとされ、「反サンダース票」を分散させる可能性もある。

 スーパーチューズデーは、14州で一斉に予備選を開く最大の決戦となる。各州や地域に配分された約4000人の代議員のうち、割り振りが決まるのは約1350人と全体の3分の1に上る。

(ワシントン 山崎洋介)