左派サンダース氏が連勝
民主党のネバダ州党員集会
中南米系の支持獲得
11月の米大統領選に向けた民主党指名候補争いの第3戦となるネバダ州党員集会が22日に実施され、急進左派のサンダース上院議員(78)が他候補を引き離し勝利を確実にした。中道派のバイデン前副大統領(77)が2位、ブティジェッジ前インディアナ州サウスベンド市長(38)が3位となっている。
開票率50%の段階でサンダース氏は46・6%の票を得ている。バイデン氏が19・2%で2位につけ、ブティジェッジ氏が15・4%、急進左派のウォーレン上院議員が10・3%、中道派のクロブシャー上院議員が4・5%で続いた。
サンダース氏は来月3日に予備選が行われるテキサス州で演説し、「ネバダ州では多世代、多民族の連合を構築した。これはネバダ州だけの勝利ではなく、この国を席巻するだろう」と強調した。
サンダース氏は左派層に加え、中南米系の有権者が多いネバダ州でマイノリティー票を掘り起こしたほか、穏健・無党派層にも支持を広げた。29日のサウスカロライナ州予備選や来月3日の「スーパー・チューズデー」に向け弾みをつけた。
若者を中心とした熱狂的な支持者や組織力、集金ネットワークを持つサンダース氏は、全国規模の世論調査でもトップを走り、「フロント・ランナー」としての立場を明確にしている。
アイオワ、ニューハンプシャー両州で振るわなかったバイデン氏は、大差をつけられたものの2位に踏みとどまっており、次戦のサウスカロライナ州予備選に向け望みをつないだ形だ。同州はバイデン氏が強みを持つ黒人の有権者が多く、同氏にとって「防火壁」とされる。
序盤2州で躍進し注目を集めたブティジェッジ氏は、マイノリティー層への浸透が進まず、3位にとどまっている。
予備選が集中するスーパー・チューズデーからは、巨額の広告費を投じ支持率を上昇させているブルームバーグ前ニューヨーク市長も参戦し、中道派間の混戦に拍車が掛かりそうだ。
サンダース氏はスーパー・チューズデーの大票田であるカリフォルニア、テキサス両州でも優位な戦いを進めている。今後、中道派の中で穏健層の支持を結集し、サンダース氏に対抗し得る候補が現れるかが注目される。
(ワシントン 山崎洋介)