ボリビア大統領選、5月3日実施へ
南米ボリビアの最高選挙裁判所は3日、5月3日に大統領選挙と国会議員選挙を含む総選挙を実施すると発表した。選挙日程の詳細は6日に発表される。
ボリビアでは、昨年10月の大統領選挙で反米左派のモラレス前大統領が4選を果たしたが、不正選挙疑惑が発覚。モラレス氏の辞任と再選挙を求める全国規模の反政府デモが続く中で、モラレス氏は国軍の後ろ盾を失って辞任した。同氏はアルゼンチンに亡命中だ。
ボリビアは現在、保守派のアニェス暫定大統領が政権を掌握しているが、モラレス支持派による激しい抗議デモが続いている。国内はモラレス派と反モラレス派に分裂し、政情は極めて不安定だ。
5月に予定される大統領選挙は、すでに接戦が予想されている。米州機構(OAS)が選挙監視団としてボリビア入りする予定で、アニェス暫定政権は民主的かつ透明な選挙を約束している。
亡命中のモラレス氏は立候補はできないが、自身が所属する左派政党の社会主義運動(MAS)から大統領選挙の選対責任者として任命されており、同党の大統領候補もモラレス氏が決定する予定だ。社会主義運動はボリビア最大政党でもあり、亡命中とはいえ、モラレス氏の影響力は大きい。
一方、ボリビアの検察当局は先月、モラレス氏に対してテロ扇動などの容疑で逮捕状を請求、当面はモラレス氏の帰国による混乱はないものとみられる。
ただし、民主的な選挙を通じて新たな大統領が誕生したとしても、モラレス氏をめぐる評価は大きく分かれているのも事実。混乱が早期に収束することは期待できそうにないのが現状だ。
(サンパウロ 綾村悟)