世界の宗教迫害に関心を、米国が「良心の囚人」リスト公開


 米政府機関「国際宗教の自由委員会」は、人権擁護団体からの情報を基に作成した「宗教的良心の囚人」のリストを公開、世界中で拘束され、迫害を受けている「囚人」に目を向けるよう呼び掛けた。

 委員会は10月、データベース「宗教的良心の囚人プロジェクト」を作成、信仰を理由に拘束されている囚人のリストの公開を開始した。エリトリアの地下教会の指導者や、ロシアのサイエントロジー信徒、イランの人権派ブロガーらの名も記載されている。

 データベースは、信教の自由や宗教的権利の擁護を弾圧している国々で収監されている人々への関心を高めることを目指して設置された。ゲール・マンチン委員は「最も悪いのは、収監されている人々がいることが忘れ去られることだ」と、世界の宗教迫害に目を向けることの重要性を強調した。

 リストには「信教と信念の自由の犠牲者」(FORBS)の160人が記載されているが、委員会は、世界中で1500人が拘束されているとみている。その中には、中国の収容所に拘束されている約200万人のウイグル族は含まれていない。

 同委の国際法専門家カーステン・レイベリー氏は「重要なのは、このリストがすべてではないことだ」と指摘、リストに記載されていない弾圧の事例が世界には数多く存在することを示唆した。

 リストは、新たな情報を基に今後も拡充していく予定だ。

(ワシントン・タイムズ特約)