イラン政府、襲撃犯特定できず


米国など敵対国へ批判続く

イラン南西部アフワズで22日行われた軍事パレード中、イラン革命防衛隊員12人を含む25人が殺害された襲撃事件で、同国首脳らによる敵対国への批判が続いている。

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2日、イラン南西部アフワズで、軍事パレードが襲撃されて身を隠す兵士ら(AFP時事)

 ロウハニ大統領は事件発生後の同日、首都テヘランで記者団を前に「(犯行組織に)必要なもの(資金等)を提供したのは米国だ」と述べ、米国を名指しで非難した。同国最高指導者のハメネイ師は24日、ツイッターを通じて、「(犯行組織は)サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)から資金提供を受けていた」と主張した。

 事件後、過激派組織「イスラム国」(IS)と、イランでアラブ系住民の分離独立を目指す武装組織などが犯行声明を出したが、真偽は不明。

 襲撃を受けたイラン革命防衛隊は、反米感情が特に強いことから、イラン政府は米国への名指しの批判を行ったものとみられるが、襲撃犯を特定できない苛立ちの表れを隠せない。

 これに対し、米国のヘイリー国連大使は23日、「ロウハニ師がなすべきことは、まず自分の姿を鏡で見ることだ」と強く反発、テロはイラン国内に存在する組織によるもので、米国は一貫してテロを批判してきたとの立場を強調した。同大使はさらに、「イラン政府に入るあらゆる金は軍隊につぎ込まれ、国民は長い間虐げられてきた」と述べ、国民の不満がテロに結び付いた可能性を指摘した。

(カイロ鈴木眞吉)