イラン議会、大統領盟友の閣僚解任


経済問題に批判

 イラン議会は8日、ロウハニ大統領の盟友とされるラビイー労働・協同組合・社会福祉相を解任した。イランのファルス通信によると、ラビイー氏の不信任決議案は、全243票のうち賛成129、反対111、棄権3で可決され、同氏は解任された。

ラビイー氏

8日、テヘランのイラン議会で答弁する、ロウハニ大統領の盟友ラビイー労働・協同組合・社会福祉相(EPA時事)

 ラビイー氏は、ロウハニ氏に最も近い政治家であり、1997年から2005年まで大統領を務めたハタミ氏のアドバイザーだった。解任はロウハニ氏にとって政治的に大きな痛手となる。

 イランでは7月にも、経済の苦境の責任を取らされる形で、中央銀行総裁が交代したばかりで、今回の解任の理由も、通貨リヤルの急落や、失業問題への対処が不十分という経済問題だった。

 首都テヘランに近いカラジ市やイスファハン、シラーズ、マジャド、テヘランなどで数日にわたり、経済苦境を招いたイラン最高指導部批判のデモが続けられており、「独裁者に死を」など最高指導者ハメネイ師への批判も叫ばれている。

(カイロ鈴木眞吉)