イラン・イラク地震 土砂崩れなどで救助難航


死者452人、今年最多規模に

 イランとイラクの国境地帯で12日に発生したマグニチュード(M)7・3の地震による死者数は少なくとも452人に上り、9月のメキシコ市でのM7・1の地震での死者数369人を上回り、今年最多の規模になった。負傷者数は7000人以上。

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3日、イラン西部ケルマンシャー州サルポレザハブの地震被災地で泣き崩れる女性(AFP=時事)

 イランの国営プレスTVによると、イランの死者数は445人。7100人が負傷した。イラク北部クルド自治政府の保健当局者によると、自治区内で7人が死亡、イラク保健省は負傷者は535人に達したと発表した。イラク国内では9人が死亡したとの一部情報もある。

 イランでは3日間の服喪期間が宣言された。

 イランのロウハニ大統領は14日、現地を視察、「被災者が日常生活に戻れるよう全力を尽くす」と語った。

 イラン赤新月社によると、被害は500以上の村落に及んだという。震源周辺は山岳地帯で、土砂崩れや道路の寸断もあり、救助活動は難航している。日干し煉瓦(れんが)を積み重ねた建物が多く、死傷者の多くは倒壊家屋の下敷きになったとされる。

 倒壊した建物の中に生き埋め状態の住民も多いとされ、当局は捜索・救助に全力を挙げているものの、死傷者数はさらに増加する恐れがある。余震も160回以上続いている。

 イランでは現地の主要病院も大きく損壊したため、押し寄せる負傷者の対応は困難という。就寝中に発生したことも、被害拡大の一因になったとみられている。

(死者452人、今年最多規模に)