トルコの露製ミサイル導入に米が懸念表明


 米国防総省のデービス報道官は31日、トルコがロシアの地対空ミサイルS400の導入計画を進めていることについて、北大西洋条約機構(NATO)同盟国との共同運用能力を損ねることになると懸念を表明した。

 トルコは先月、今後1年間にわたって4基のS400を、25億㌦で購入することで合意。デービス報道官は、「トルコはNATO加盟国であり、同盟国は相互運用性のある機器を購入すべきだ」とトルコのS400導入の決定を非難した。

 米国防当局者は、トルコが、西側兵器との相互運用性のないロシアの兵器を使用することで、同盟国軍との間に戦場で混乱が生じる可能性があると指摘した。

 トルコは2016年に中国製の地対空ミサイルの導入を試みたことがあるが、米国などの反対で断念していた。

 トルコは、米国がイラクとシリアでの過激派組織「イスラム国」(IS)掃討作戦で、クルド系の組織を支援していることに反発しており、ロシア製兵器導入は米国を牽制(けんせい)する狙いがあるものとみられている。

(ワシントン・タイムズ特約)