レバノンの首都ベイルートでデモ隊と警官隊が衝突し400人負傷


レバノン新政権の発足難航

 反政府デモが続くレバノンの首都ベイルートで18日、デモ隊と警官隊が衝突し、仏メディアによると約400人が負傷した。デモ隊は、投石したり、金属製の防護棚を使用したりして警官隊を襲撃、それに対し警官隊は放水や催涙ガスで応戦、数時間に渡って攻防が続いた。

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18日、ベイルートで、金属製の防護柵で警官隊を襲うデモ隊(EPA時事)

 昨年10月中旬にワッツアップなど、メッセージアプリへの課税案が引き金となって発生したデモは、急速に全土に拡大、宗教宗派を超えて政治階級に抗議する街頭運動として発展した。

 新首相に指名されたハッサン・ディアブ元教育相(60)は、ヒズボラに近いとされ、また、「首相はイスラム教スンニ派から」という今までの宗派体制内での指名を受けたことから、現体制の一掃を求めるデモ隊の要求からは程遠い。ディアブ氏は、テクノクラート(技術専門家)から成る政権樹立を目指しているものの、閣僚の顔ぶれを巡る各政党間の対立で、新内閣が発足が出来ない状態が続いている。

(カイロ 鈴木眞吉)